タマムシの生態(ヤマトタマムシ)

1 自然界では、枯木のくぼみに卵を産みます。

  枯木は桜、えのき、ケヤキ、コナラ、クヌギ、カキです。

 

  のこぎりで人工的にくぼみをつくってやると、そこに産み付けます。

 

  メスは枯木のくぼみに10個、20個とまとめて産卵します。

 

  卵は20日前後で孵化し、その幼虫はすぐに、木の中に穴をあけて食い進む。

 

  卵は楕円形で1.2㎜くらい

 

 

エノキやサクラの枯木を削って、かんなくず か カツオの削り節のように削って、それを枯木の原木の代わりにして タマムシを飼いました。

この方法だと、室内にいて いつでも幼虫の観察ができます。

ビンやコップでの飼育は小さい幼虫時代、2年以内がよいように思いました。

2 幼虫は木の中にいて、少しずつ歯で木を噛み砕いて食べて大きくなります。

 

  木屑は後ろに送り、ふたをするので、普通では幼虫は見られません。

  

 

  小さい卵のようなものが、ふんです。

3 

4 4、5月ごろになると、幼虫の体は次第に短くなりはじめ、1ヵ月半ぐらいまで短縮

大きくなった幼虫は厚さ2cmほどの 透明容器で飼いますと、幼虫は上面か下面のどちらかで必ず見えます。

1日でどれだけ移動したかもわかります。容器にトレーシングペーパーを置き、それに定時観測で幼虫の居場所を書き込むと、1日で10cmくらい移動することがよくあります。

このような観察により、室内温度5度cでもよく動くことがわかりました。冬も暖房しません。

【木の中の幼虫】
古い木の割り出し方法は、タガネとカナヅチで、古い木を割って大きい幼虫を取り出します。長さを測ると70mmから85mmくらいの幼虫がでてきます。

産卵木には産卵年がついていいるので、卵から5年目の幼虫とか、6年目の幼虫かが分かります。早いのは3年目で成虫になってますよ。

5 脱皮して、さなぎになる。まだ羽根は見えません

6 羽根が少し生えてきました。

 

 

7 体の色が変わってきました。

8 長い木の中の生活を終えて(2~3年)

 

  7月ごろ、木の入り口を噛み砕いて顔を出してきました

9 枯木から抜け出しています。

10 後、もうちょっとで全部出ます。

11 成虫は大きくても、43㎜ぐらい。

  

  オスもメスも同じ色をしている。

12 上の硬い羽根は広げるだけで、下の羽根だけを動かして飛びます。

 

  鳴かないので静かで、夜は飛びません。

13 エノキの葉をコップにさしておきます。

  葉をよく見ると、食べた後がわかります。

  水も霧吹きも必要ありません。

  果物も野菜も食べませんので、手のかからない虫です。

14 交尾 ひと夏の生も終わり(約2週間の命)

 

のこぎりで傷をつけた古木に産卵しているところ

 

桜の木は、2年目からタマムシが出てくることがあり、腐敗も早いので、5年経てばほとんど捨てます。  

桜以外の木は、芯がしっかりしているのが多く、芯にタマムシの幼虫が居ることが多いので、木を割り出して幼虫を別の新しい木に移したりします。

卵が見えますか?

15 産み付けられた桜の木を管理しています。

 

1、近所に大きなエノキを見つけること。 
2、1年前から5月までの間に、落葉樹の丸太を準備します。古くなった木や腐りかけた木はやめます。
  エノキ、ケヤキ、桜、柿、栗、コナラ、クヌギ、柳、など落葉樹です。

3、木の太さは直径15㎝以上、長さは40㎝以上が適当。
4、玉虫の産卵は7月中旬から8月にかけてです。
  この時期にエノキの大木の近くへ、用意した丸太(産卵木)を置きます。
5、産卵木にはあらかじめ産卵しやすいように、ドリルか ノコギリで窪みを作っておきます。
6、産卵木は玉虫の餌であり、住まいでもあります。乾燥しすぎないように。

オス・メスの見分け方

腹側から尻の先端を見るとわかります。

羽根の色では見分けられません。

タマムシ誕生の瞬間を動画でご覧ください。

映画を作る際、撮影班と玉虫愛好会の7人で、じっと木とにらめっこ。

 

世の中に出る瞬間の撮影に成功しました。